投資家が証券会社からお金や株券を借りて取引を行うことで、短期売買によりキャピタルゲインを稼ぐことを狙った投機的な投資方法です。
- 値上がりしそうな株をお金を借りて買うのを信用買い(空買い:からがい)と呼びます。
- 値下がりしそうな株を株券を借りて売ること信用売り(空売り:からうり)と呼びます。
期待通りに株価が動いていけば、決済時に差額を利益として稼ぐことが出来ます。
信用取引の決済は通常6ヶ月以内に終わらせなくてはなりません。
期限に制限があるのです。
期日が来た時点で思惑どおりに値上がり・値下がりしていなくても、期日までには決済しなければなりません。
信用取引を始めるには
信用取引を利用するには普通の株取引が出来る証券総合口座とは別に信用取引口座の開設を申し込む必要があります。
口座開設の審査
信用取引口座開設には口座開設申し込みの際に証券会社の審査を通過しなければなりません。
審査基準はオープンにはなっていませんが、取引実績や経験年数などが見られているようです。
証券会社によっても違いますし、同じ証券会社でも時期によって厳しくなったり緩くなったりもします。
空売り(信用売り)
証券会社から株を借りて売ることです。
近い将来に下落すると予想する株を売り、値下がりしたところで買い戻すことでて株券を返済します。
売った時と買い戻した時の株価の差額が利益になります。
予想に反して株価が上がれば損失になります。
返済は6ヶ月以内行うのがルールです。
空売りの取引例
- 値下がりしそうな株が株価2000円の時に空売り。
- 1800円になった時点で買い戻して、200円の利益。
- 値下がりしそうな株が株価2000円の時に空売り。
- 2300円になった時に買い戻して、300円の損失。
空買い(信用買い)
近い将来に値上がりしそうな株を証券会社からお金を借りて買います。
値上がりしたところで株を売ってお金も返済します。
お金の返済は6ヶ月以内行うのがルールです。
手数料
通常の株取引手数料とは別の料金体系になっています。
証券会社間の競争により昔に比べて極限まで値下がりしています。
金利
信用取引ではふつう信用買をする側が空売りをする側に金利を払います。
ただし、現在は低金利のため売り方は金利をほとんどもらえない状況です。
また空売りする側が急増して、空売りをするための株が不足した場合は、空売りする側もレンタル料である
品貸料(しながしりょう、
逆日歩とも呼ぶ)を払わなければならなくなります。
信用取引の種類
- 制度信用取引
- 一般信用取引
もともと信用取引というと証券取引所が選んだ信用銘柄を6ヶ月という決済期限で行う
制度信用取引のことでした。
その後の規制緩和により証券会社が銘柄選びや決済期限などを自由に設定できる
一般信用取引も設けられました。
制度信用取引
証券取引所が定めたルールに沿って行われる信用取引です。
信用取引が出来る銘柄や品貸料(売りの場合)や決済期間などが証券取引所によって定められています。
- 決済期間は6ヶ月
- 決済期日が来たら損しようが必ず決済
- 決済のことを手仕舞いと呼ぶ
制度信用取引で信用取引が可能な銘柄は、株主数、上場株式数、売買高、業績などの基準で選ばれます。
選ばれた銘柄を
制度信用銘柄(信用銘柄)と呼び、さらにその中から信用売り(空売り)もできる
貸借銘柄が選ばれる。
実際の取引では、
信用買い取引のみ →
制度信用銘柄
信用買い取引と信用売り取引ができる →
貸借銘柄
と知っておけばOKです。
貸借銘柄
制度信用取引のルールのもとで信用買い(空買い)だけでなく、
信用売り(空売り)もできる銘柄です。
投資家からの信用取引注文が多い場合、証券会社が自社内でお金や株券を用意しきれなくなります。
この時に証券会社は
証券金融会社から必要なお金や株券を借りることが出来きます。
この制度を
貸借取引と呼び、貸借取引が出来る銘柄を
貸借銘柄と呼びます。
貸借銘柄は証券金融会社と証券取引所が一定の基準を設けて信用銘柄の中から指定します。
日経新聞の株式欄で銘柄の前に『・』の付いているのが貸借銘柄です。
証券金融会社
- 日本証券金融・中部証券金融の2社
- 券取引法に基づいて免許を受けた証券金融の専門機関
- 証券会社に信用取引のための資金や株券を貸し付けている
品貸料(しながしりょう)
貸借取引で空売りが空買いを大きく上回ると、証券金融会社でさえ株券が足りなくなり対応しきれなくなります。
そうなった場合に空売りをするための株券を機関投資家などから借りることになります。
その時のレンタル料金のことを品貸料と呼び、空売りをする投資家が負担します。
逆日歩(ぎゃくひぶ)とも呼ばれます。
一般信用取引
証券会社が定めたルールに沿って行われる信用取引です。
信用取引が出来る銘柄や決済期限、品貸料を証券会社が自由に決めている信用取引です。
決済期限が長いところもあれば、3ヶ月と短いところもあります。
制度信用取引よりも多くの銘柄を信用取引の対象としていることも特徴です。
A銘柄を空売りしたかったらM証券だけ、B銘柄を信用で買いたかったらR証券だけ、のように証券会社によって信用取引きができる銘柄が違うのは、この一般信用取引という仕組みによるものです。
中には全銘柄の信用取引が可能な証券会社もあります。
制度信用取引では信用取引銘柄に指定されるまで時間がかりますが、新規上場の銘柄が初日から信用取引が出来るの場合もあります。
無期限信用取引
証券会社の中には一般信用の決済期限を無期限にしているところもあります。
信用取引に必要な担保とは?
信用取引をするには証券会社に担保としてお金を差し出す必要がある
これを委託保証金(保証金)と呼ぶ。
一般的に100万円の信用取引注文をする場合は、その30%である30万円の委託保証金を口座に入れておく必要がある。
つまり口座に300万円あれば最大で1000万円までの取引注文が可能になるということ。
レバレッジでいうと3.3倍といったところ。
この30%を
委託保証金率と呼び、取引所が定める。
極端に信用取引が過熱した場合には委託保証金率を引き上げて調整することもある。
追証(おいしょう)
追加保証金の略で、信用取引時に証券会社から追加が求められる委託保証金のことです。
信用取引中の株の株価変動により含み損が発生している場合、その損は委託保証金から引かれる形でリアルタイムで変動しています。
保証金が少なくなった場合、口座内の現金を増やして保証金の額をある程度まで維持をしておかないと証券会社から追証の通知がきます。
例えば、口座に60万円ある状態で100万円分の信用買い注文をしたとします。
その後株価が大きく下がり含み損が50万円になりました。
この時、口座には実質的に10万円しかないことになります。
約定値段である100万円に対して10万円なので10%しか保証金が用意できていないことになります。
これを
委託保証金維持率が現在10%と呼びます。
委託保証金維持率が大引けの時点で20%を割っていた場合、追証の通知がきます。
追証が発生した場合は、その翌々日正午までに20%以上に回復するための金額を追加で口座に入れておく必要があります。
この場合は最低10万円の追証を入れれば保証金不足は解消されます。
取引中に一時的に保証金維持率が20%を割っていても、引けまでに20%以上を回復していれば追証は発生しません。
- 株価の変動で含み損が大引けまでに減り、維持率が20%以上を回復した場合
- 引けまでに口座の現金を増やして維持率が20%以上を回復した場合
- 決済をして損失を確定した場合(損失が口座のお金を上回っている場合は追証)
担保掛け目
委託保証金は現金だけでなく有価証券(株式や公社債など)で代用することも可能です。
ただし、有価証券は現金よりも低く評価されます。
現金を100%としたとき上場株で時価の70%の評価、国債で額面の95%の評価になります。
この割合を
担保掛け目と呼びます。
規制銘柄
投機的な値動きをしている銘柄は信用取引に取引制限がかかる場合があります。
- 委託保証金率の引き上げ
- 新規の信用売り
- 信用買いの停止
信用取引規制の流れ
- 20%の急騰、ストップ高連発など、投機的な値動きを繰り返す銘柄は、まずは日々公開銘柄に指定されて毎日の信用取引残高が公表されます。投資家に注意喚起するのが目的です。
- 更に投機的な色合いが強まると規制も強化され、規制銘柄となります。
信用取引残高
信用取引では、信用買いをした場合は証券会社から借りた資金、信用売りをした場合は証券会社から借りた株を決まった期間内に返済しなければなりません。
これらの未決済の取引の残高が信用取引残高です。
信用買残高と信用売残高に分けられ、個別銘柄ごとに東京証券取引所ホームページで公表されています(銘柄別信用取引週末残高)。
前週末時点の残高情報が毎週火曜の16:30に公表されます。
信用取引残高は投資の目安になる?
個人投資家の売買の動きを示す指標であり、買い残高の多さはその銘柄の人気の大きさを表します。
買残高が多い
↓
一定期間後に売る人が多い
↓
将来の買残高減少とともに株価の下降が進む可能性がある
↓
それでも株価が上がり続けるのなら、強力な上昇トレンドになるかもしれない
売残高が多い
↓
一定期間後に買う人が多い
↓
将来の売残高減少とともに株価の上昇が進む可能性がある
↓
それでも株価が下がり続けるのなら、強力な下降トレンドになるかもしれない
日証金残高
証券金融会社の日本証券金融が公表している信用残高
証券会社が投資家に直接融資したり貸し株を行った分は含まれていない